たとえヘルニアが退縮しても麻痺や排尿障害が回復せずに残るからです

たとえヘルニアが退縮しても麻痺や排尿障害が回復せずに残るからです

前回の話を聞いて自分がヘルニアかも?と思った人はいませんか??今回は少し詳しい話をしていきます。
クッションカバー(線維輪)が破れて、中の髄核が飛び出したのが椎間板ヘルニアです。最もヘルニアが起きやすい椎間板は第4腰椎と第5腰椎の間(下から二番目)、第5腰椎と仙骨の間(一番下)の2カ所です。脱出したヘルニアが神経を圧迫し、急激な腰痛とともに下肢の痛みやしびれを来します。これが座骨神経痛です。よくお医者さんで「坐骨神経痛」と言われる人がいると思いますが、これは病名ではなく症状です。お腹が痛いと言っているのと同じようなものです。症状が強い場合には痛みだけでは無く、筋肉の麻痺により足を持ち上げにくくなったり(下垂足)、尿が出にくいなどの障害(排尿障害)を来すことがあります。

トラマドール:
ヘルニアの強い痛みに対してNSAIDsと併用すると強い鎮痛効果を発揮します。

治療法として、痛みは強いが麻痺が強くない症例では、まず、鎮痛剤や注射によるブロック療法が選択されます。脱出した髄核は自然に縮小する(退縮)可能性があるからです。大きなヘルニアほど退縮しやすいこと、その半数は3ヶ月以内に退縮が起こると推定されています。
しかし、足の麻痺が強い場合や排尿障害がある場合には、ヘルニアの退縮を待たずに手術します。たとえヘルニアが退縮しても麻痺や排尿障害が回復せずに残るからです。鎮痛剤やブロック療法で痛みが十分とれない症例や、仕事など患者さんの都合でヘルニアの退縮を待てない場合も手術の対象になります。

ヘルニアの位置や大きさを診断するためにMRI検査を行いますが、このとき注意が必要なのは、治療する必要のない無症候性のヘルニア(症状と関係のない椎間板の膨隆や小さなヘルニア)が偶然見つかることが少なくないことです。従って、診断をMRI検査だけに頼るべきではありません。専門医のアドバイスを受けて下さい。

ヘルニアなど変性した椎間板内では炎症性サイトカインの発現が上昇して痛みの発現に関与しています。抗サイトカイン薬(TNF-α阻害薬、IL-6阻害薬)を椎間板に内投与したり全身に投与し、有効性が確認されています。

冷湿布は炎症を鎮めるために使用します。急性の腰痛にも効果があり、温熱療法と併用することもできます。一方の温湿布は、血行を促進したり、コリをほぐすのに使われます。慢性の腰痛には温湿布を使いますが、腰椎椎間板ヘルニアによる腰痛や下肢のしびれや不快感は、湿布では治りません。

腰椎の間でクッションの役割を果たす椎間板が後方に飛び出し、神経を圧迫することで、腰痛・坐骨神経痛が生じる病気です。足がしびれて痛み、麻痺(まひ)することもあります。足が麻痺してきた場合は、早期に手術を行います。
椎間板ヘルニアは、自然吸収されて良くなることも多く、3カ月程度、保存的に治療します。保存療法により十分な改善が見られないときには、手術用顕微鏡を用いて椎間板ヘルニアを取り除く手術を行います。
排尿・排便障害を生じた場合は、緊急の手術が必要です。

すぐに気付いて整形外科に行けばよいが、首のヘルニアだと気付かず、不用意にマッサージや整体、カイロプラクティックなどで施術を受けると、患部に刺激を与えることになり、余計に症状が悪化する可能性もあるという。

イラストを見てください。同じレベルのヘルニアでも、内側に脱出すると一つ下の神経が、外側に脱出すると一つ上の神経が圧迫されることがわかりますね。そして、痛みの起こる場所は障害を受けた神経により異なります。例えば第5腰髄神経 (L5) が障害された場合には、おしりから太ももの後ろを通って、すねから親指にかけて痛みが走ります。
足の麻痺や排尿障害を来した場合には緊急手術が必要になります。できるだけ早く病院を受診してください。症状が腰痛や座骨神経痛だけの場合には、安静や消炎剤の服用などにより症状は改善します。どうしても痛みが強い場合には、神経根ブロックをしてもらっても良いかもしれません。約80%位の人が保存的治療により症状は改善すると言われています。
保存的治療でも痛みが改善しない場合や、麻痺や排尿障害がある場合には手術が必要になります。私たちは手術用顕微鏡を用いた安全な手術を行っています。手術の適応や方法などは我々「脊椎脊髄外科医」にご相談ください。

ヘルニアは本来回復力を有する疾患です。飛び出たばかりのヘルニアは強い痛みになりますが次第に腫瘤は収縮安定し痛みも改善の方向へ向かいます。また大きく突び出て靭帯を破ると強い下肢痛が出ますが、その後ヘルニアは退縮傾向となり次第に痛みも改善します。このような性質を理解し鎮痛に導くことが最大の保存的治療になります。

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