使われぬ切り札 児相の現状


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使われぬ切り札 児相の現状
虐待による死亡児童数と臨検実施件数の推移  対応の遅れから幼い命が奪われる児童虐待事件が各地で相次ぐなか、児童相談所(児相)が裁判所の令状を受けて実施する、強制の立ち入り調査「臨検」の件数が平成20年度の導入以降10年間で、17件にとどまっていることが17日、分かった。
臨検は児童虐待防止法の改正で20年4月に導入されたが運用は伸び悩んでおり、これまでもルール変更が繰り返されてきた。22年に発覚した大阪市の2幼児遺棄事件では、虐待を疑う近隣住民の通報が4回もありながら、児相は臨検を見送っている。親子の住民登録がなく、当該者の氏名が分からなかったことが理由の1つとされた。
この教訓を受け、厚労省は同年、臨検措置に至る過程の初期段階の保護者への出頭要請で「十分に調査していれば、氏名不詳のままで裁判所への許可請求が可能」と変更した。28年にもさらに手続きは簡素化され、立ち入り調査を拒否された後の措置である「再出頭要求」を経ずとも臨検ができるよう、児童虐待防止法が改正された。だが、それでも大幅な増加にはつながっておらず、慎重な運用が続いている。
児相側には、児童のケアや保護者の更生といった息の長い取り組みに支障が生じる恐れへの懸念が強い。東京都児相OBで元児童福祉司の斎藤幸芳さん(68)は「臨検で職員が保護者と対立してしまうと、その後の継続的なフォローが難しくなる」と話す。ただ、虐待が疑われる児童を救う際に、児相に与えられた権限は、警察の対応よりも即応性が高い。
警察による建物内への立ち入るといった強制捜査には相応の虐待の証拠が必要になるためだ。警察関係者は「児相職員は激高する保護者に対し、「どう対応していいか分からない」「向き合うのが怖い」という思いがあるかもしれないが、警察は令状請求の仕方なども含めて支援できる」と話した。事実、児相と警察の連携は強化されつつある。
児相が警察に援助を要請して受理された件数は28年の266件から30年には339件に増加。トラブル対応として現職警察官やOBが常駐する児相も増加傾向にあり、警察と児相による臨検訓練も各地で実施されるようになっている。警察関係者は「命の危機が迫っている児童にとって、手を差し伸べてくれるのが警察なのか児相なのかは関係がない。」
[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス – 主要 使われぬ切り札 児相の現状

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